葉子さんの写真を前に振り返る白川さん=11日、都内

二つの花を咲かせた勝山公園桜見本園の記念樹=4月10日撮影

桜見本園内に移植された葉子さんを悼む記念樹(左)=22日撮影

葉子さんの写真を前に振り返る白川さん=11日、都内 二つの花を咲かせた勝山公園桜見本園の記念樹=4月10日撮影 桜見本園内に移植された葉子さんを悼む記念樹(左)=22日撮影

 【さくら】2011年の東日本大震災による津波で犠牲となった福島県富岡町、白川葉子(しらかわようこ)さん=当時(26)=を悼む記念樹のケイオウ桜を、父親の司(つかさ)さん(64)=神奈川県横須賀市茂井3丁目、カフェ経営=から市が託され、7月10日で7年を迎える。当初弱っていた15センチほどの桜の木は、市役所本庁舎前で生育後、二つに分けて氏家の勝山公園桜見本園と喜連川のお丸山公園にそれぞれ移植された。幾多の困難を乗り越えながら人の背丈ほどになった桜に対する思いを、関係者たちに話してもらった。

 東京電力福島第1原発のオペレーターだった葉子さんは震災当日、浪江町から自宅のある富岡町に車で戻る途中に被災。震災から1カ月以上が過ぎた4月17日、浪江町の請戸川河口付近で遺体で見つかった。

 司さんは「(葉子さんには)第2子がおなかにいたのかもしれない。その診断に行った帰りかと。なぜ、その日だったのか」と今も悔やんでいる。