夏目漱石の小説を解説しながら講演する三田さん

 【宇都宮】宇都宮アート&スポーツ専門学校の特別公開講座が27日、大寛1丁目の同校で開かれた。芥川賞受賞作家の三田誠広(みたまさひろ)さんが「10万字を書きこなすプロをめざすための文章術」と題して講演し、同校生徒や高校生、社会人や文芸好きのシニア世代など約40人が耳を傾けた。

 同校文芸創作科の授業の一環。三田さんは高校在学中に「Mの世界」で文壇デビュー。早稲田大文学部卒業後、1977年「僕って何」で芥川賞を受賞した。「いちご同盟」「空海」「日蓮」など著書多数。武蔵野大名誉教授。

 三田さんは、夏目漱石(なつめそうせき)の「坊ちゃん」の冒頭部分を読み「坊ちゃんは主人公のキャラクターが面白い。小説を書くためには主人公のキャラクターを作る必要があります。あらすじしか書けない人は、小説1冊分10万字は書けません」などと分かりやすく説明した。

 同科2年古橋和希(ふるはしかずき)さん(25)は「昔の人の話だったが、キャラクター作りは今も同じ。キャラクターに深みが必要なことが分かった」と話した。