約15メートルの杉丸太を石尊山(せきそんさん)(486メートル)の山頂に打ち立てる伝統行事「石尊山の梵天(ぼんてん)祭り」が14日早朝、栃木県足利市小俣町の同山で行われた。約260人が山頂に集まり、家内安全や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈った。
江戸時代から続くとされ、県無形民俗文化財に指定されている。
午前3時から山麓の不動尊で護摩祈祷(きとう)を行った後、同50分ごろに約60人の担ぎ手が杉丸太を肩に担いで麓を出発。小雨が降る中「わっしょい」と声を合わせ、「梵天道」と呼ばれる直線の急斜面を進んだ。
約1時間半かけて山頂に到着。幣束(へいそく)などを飾り付けた丸太を打ち立てた。その後、幣束を抜き取って家内安全を願おうと、参加者たちが丸太によじ登った。
初めて参加し担ぎ手を務めた堀込町、会社員山崎純(やまざきじゅん)さん(26)は「想像以上にきつかったが、登り切った時がとても気持ち良かった」と笑顔。昨年に続き丸太に登り、見事幣束を抜き取った群馬県桐生市相生中2年曽根大地(そねだいち)さん(13)は「前回より達成感が大きい。来年は先端を目指す」と話した。