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杉線香を木べらで小分けし、束ねる従業員=27日午後1時45分、日光市小百

 秋の彼岸を前に、栃木県日光市小百の線香製造・販売「八丹堂」で県伝統工芸品の杉線香作りが繁忙期を迎えている。

 同市は江戸時代から続く全国有数の杉線香の生産地。同社では彼岸向けの注文が20日過ぎに増え始めた。27日は飯野大仁(いいのだいじ)社長(49)が練った生地を機械で棒状に成形。従業員7人は乾燥させた線香を木べらで束ね、色とりどりの紙で手早く包んでいった。

 市内の道の駅や土産店に卸すほか、東京都内の問屋を通じて全国の寺院に納める。最近はインターネット注文や海外からの視察もあるといい、飯野社長は「伝統製法を守るとともに、日本の文化を伝えつつ新たな挑戦をしていきたい」と話している。