【日光】下野写真協会会員で足尾町上間藤、公務員北山建穂(きたやまたてほ)さん(49)が26日未明、所野の霧降高原キスゲ平園地から、東の空に輝く「紫金山・アトラス彗星(すいせい)」の撮影に成功した。

紫金山・アトラス彗星=26日午前4時38分、北山さん提供
紫金山・アトラス彗星=26日午前4時38分、北山さん提供

 県子ども総合科学館によると、2023年1月に新たに発見された彗星。今月28日、太陽に最接近する。発見時の状況から当初、太陽最接近時には肉眼でも見える明るさと想定され、「世紀の大彗星」との期待もあったが、現時点ではカメラ撮影で確認できる程度の明るさという。北山さんは26日午前4時30~45分、同園地の避難小屋付近から150枚撮影した。「夜半まで雨が降っていたが、明け方に奇跡的に晴れ、彗星を確認することができた」と喜んでいた。

紫金山・アトラス彗星=26日午前4時38分、北山さん撮影
紫金山・アトラス彗星=26日午前4時38分、北山さん撮影

 今後10月初めまでは明け方に東の空で、中旬からは夕方に西の空で見えるようになる。

 同館天文課の原秀夫(はらひでお)課長(46)は「明るさの予想は難しいが、この彗星が見られるのは今回のみ。観察や撮影のチャンスは日の出前や日の入り後のわずかな時間。夜空にぼんやりと輝くため探すのが難しいので、撮影できたのは貴重な記録だ」と評価していた。