コンバインで収穫する生徒ら

ゆうだい21を栽培する食料生産科2年生

コンバインで収穫する生徒ら ゆうだい21を栽培する食料生産科2年生

 鹿沼南高食料生産科2年生は本年度、宇都宮大農学部と連携して同大開発の水稲品種「ゆうだい21」の栽培、研究に取り組んでいる。同校は昨年度、ゆうだい21を初めて栽培し全国コンテストで最高賞を受賞。質の高い栽培を続けるため、両者で栽培に関する技術やデータを共有する。オリジナルの肥料設計も行う。9月下旬は、茂呂のほ場で生徒たちが稲刈りを行った。

 同校は県内の大学が開発した品種に関わり地域密着を図ろうと、昨年度から約30アールのほ場でゆうだい21を栽培。昨年度は当時の3年生が手がけ、山形県内で開かれた「第17回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」で最優秀金賞に輝いた。

 一方で食料生産科長の橋本昌英(はしもとまさひで)教諭は「いきなりの受賞で勝因がはっきりしていない」と打ち明ける。だからこそ、気候の変化の中でも高品質の米を収穫し続ける方法を探求しようと、同大に連携を持ちかけた。

 本年度は同科2年生で、作物と畜産を専攻する生徒19人が栽培。7月には宇都宮大で、作物研究室の高橋行継(たかはしゆきつぐ)教授から生育調査の方法などを学んだ。

 生徒たちはその内容を基に週2回、ほ場へ足を運び、草丈や葉の色、茎の数などのデータを収集しながら育てた。ほ場での稲刈りでは手やコンバインで、黄金色に実った稲の収穫に汗を流した。簗島悠那(やなしまはるな)さん(16)は「苦労して収穫した米をみんなにおいしく食べてほしい」と願う。

 来年度以降も栽培を継続し、ゆうだい21に適した肥料の設計にも着手する予定だ。同校は2027年度から鹿沼商工高と統合が予定される。橋本教諭は「統合までに南高としての何らかのレガシーを残せれば」と意気込む。収穫した米は10月の全国産業教育フェア栃木大会や、同校のわくわくマルシェなどで販売する。