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 秋の彼岸を前に、栃木県伝統工芸品「杉線香」の出荷が日光市小百の「八丹堂」で最盛期を迎えている。

手作業で束ねられ積み上がった杉線香=2日午後2時40分、日光市小百
手作業で束ねられ積み上がった杉線香=2日午後2時40分、日光市小百

 杉線香は杉の葉の粉末などを練った生地を成形機に入れ、麺のように細長く押し3日ほど乾燥させる。2日も従業員たちは慣れた手つきで線香を束にし積み上げていった。

 同市は全国有数の産地として知られ、ピーク時は30軒ほどあった工場も現在は5軒ほどに減ったという。江戸末期から続く伝統産業を守ろうと、同社は海外向けに温泉や森林浴をイメージした商品を製造するなど販路拡大にも力を入れている。

 3代目の飯野大仁(いいのだいじ)社長(50)は「伝統を守りつつ、新しい取り組みにもチャレンジしたい」と話している。

麺のように押し出された線香の生地=2日午後1時50分、日光市小百
麺のように押し出された線香の生地=2日午後1時50分、日光市小百

(文・写真 磯真奈美)