世界が変化する中で、経営者が考える将来のビジョンや成長戦略について聞きました。
未来を見通すことが難しい時代です。どのような変化を感じていますか。
藤野 英人(以下、藤野):生成AI(人工知能)の登場は、投資の分野にも影響を与えるでしょう。短期的な投資は、オンラインのデータを全て活用するAIの判断が早いかもしれません。そうすると、レオスの存在意味や価値があらためて問われます。
私たちの価値は、経営者との対話、フェイスツーフェイスでしか分からない、経営者の夢やビジョン、その会社の社員の頑張りなどをどれだけキャッチできるかです。こうした情報に加え、医療、原子力、地政学等の専門家たちと「あるべき未来」を議論し、長い目線で投資することに注力します。
齊藤 雅彦(以下、齊藤):ものづくりが変わってきました。デジタル技術を使えば、実際に物を作らなくてもデータを収集でき、何が必要なのかわかるようになったのです。得意とする小さな製品を検品するとき、以前は人間の目の方が性能が良かったのですが、画像が4K・8Kになり、人の目に近づいてきました。人でしかできなかったことがようやく、機械に置き換えられるようになりました。製品開発の面でさらにステップアップできるところにいると実感しています。
成長戦略をそれぞれお聞かせください。
齊藤:追求しているのは「健康と幸せ」です。健康でいるためには治療が必要ですが、痛い治療は誰もが嫌ですよね。マニーの機器を使えば治療が簡単で痛みがない、という低侵襲治療の世界をつくりたいです。独自の技術で、世界一の品質の製品をどんどん生み出します。
藤野:必要な金融サービスを全ての人が使えるようにする「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」を掲げています。今後、投資する人としない人で格差が起きることが予想されます。投資する人を少しでも増やすために、投資の面白さや素晴らしさを多くの人に伝えたい。
未来の選択肢を提示し創造することを目指して「ひふみ目論見倶楽部(もくろみくらぶ)(愛称ミーモ)」を設立しました。「ひふみ」が提示する新しいアクティブファンドの在り方、「ひふみ」の魅力を形づくる中核的な活動です。レオスのメンバーや外部の専門家を中心とした学術的な活動を通して、「ひふみ」の運用に落とし込むことや、より多くの人を巻き込んだコミュニティーや勉強会として機能することを目指します。
こうした活動を通じて、お金に前向きな考え方をする人を増やし投資に向けたい。そして、皆さんから預かったお金を夢のある会社に投資し社会を動かし、より良い社会にしていきたいですね。
