益子陶器市に出店した「ましこ西洋野菜研究会」

 益子町の生産農家有志でつくり、国内では珍しい野菜を栽培するましこ西洋野菜研究会は、2021年5月の設立から3年が経過した。野菜の種類は人気や需要の高いものを中心に約50品目を扱い、売上高は初年度から倍増。県内外の高級ホテルなどにも採用されるようになったほか、今月は地元小中学校の給食にも使われている。会員たちの「本物の西洋野菜の味を楽しんでもらいたい」との思いが広がり、町の新たな魅力となりつつある。

 5月下旬、同会副会長の同町山本、国政誠(くにまさまこと)さん(47)方の畑。約20アールに紫色のカブのような見た目のコールラビや白い西洋ナス、ブルーベリーほどの大きさに実るマイクロトマトなど、見慣れない野菜がハウス栽培されていた。国政さんは「欧州では定番で、最近人気が出てきた野菜」とコールラビを手に笑顔で話した。

 同会はさまざまな野菜の栽培に適した多様な地形が町内にあり、西洋野菜の栽培経験者がいたことをきっかけに発足。会員は当初の4人から3人増え、40代男女7人で活動する。

 当初は少量多品目で生産して客の反応をうかがった。3年間で客も定着し、生産量も安定してきた。

 主な販売先である道の駅ましこは当初、棚の端の方にこぢんまりと並べていたが、今では売り場の入り口正面に大々的にコーナーを設けている。同道の駅の高橋裕也(たかはしゆうや)支配人(44)は「他にはない西洋野菜を求めて訪れるお客さんも増えている。当駅を象徴するものになってきている」と評価する。