山姥切国広の押形ポスターを寄贈した奈良さん(右)

 【足利】市文化財愛護協会員の奈良孝太郎(ならこうたろう)さん(53)が21日、国指定重要文化財(重文)で市ゆかりの名刀「山姥切(やまんばぎり)国広」の押形ポスターを額装して史跡足利学校に寄贈した。同学校は映像案内室に飾る予定。

 押形は、刀身を写し取った図。写真がなかった時代に刀身や刃文を記録する手段として生まれた。

 ポスターは市販品で、刀剣学者の故佐藤寒山(さとうかんざん)さんが制作した押形が印刷されている。市が山姥切国広を取得したことを記念し、刀にゆかりのある同学校への寄贈を決めたという。

 刀は1962年6月21日に国重文に指定された。同学校事務所を訪れた奈良さんは「素晴らしい刀が足利にあることを知ってほしい」と話し、受け取った斎藤和行(さいとうかずゆき)事務所長は「ファンも多く来てくれるはず」と感謝した。