湖上の的を目がけて矢を放つ参加者ら

 【日光】弓の名手と伝わる那須与一(なすのよいち)の故事にちなんで湖上の的を目がけて矢を放つ「扇の的弓道大会」が4日、中禅寺湖畔で開かれた。県内外から約2千人が参加し、日頃の鍛錬の成果を披露した。

 日光二荒山神社中宮祠で7月31日から7日まで行われる「男体山登拝大祭」(登拝祭)の奉納行事の一つ。1185年の屋島の戦いで源義経(みなもとのよしつね)の家臣だった与一が平家方の舟上に立てられた扇の的を射落とした故事に由来しており、県弓道連盟が与一を顕彰するため主催している。

 参加者は、中禅寺湖沖の舟上に立てられた扇形の的を目がけて4射ずつ矢を放ち、射抜くと見物客から大きな拍手が送られた。今市中3年の清水奏士郎(しみずそうしろう)さん(14)は「当てられなかったけど、与一になったような気持ちになれて楽しかった」と笑顔で話した。