奥日光の中禅寺湖でヒメマスの遡上(そじょう)が最盛期を迎えた。今年は6年ぶりに遡上数が増加し、26日は北岸の菖蒲ケ浜に流れ込む清流を泳ぐ群れが見られた。
ヒメマスはこの時季に体が赤い婚姻色に染まり、産卵のため同湖に注ぐ川を遡上する。国立研究開発法人水産研究・教育機構日光庁舎や中禅寺湖漁協によると、2017年までは川を埋め尽くすほどの魚群が見られることもあったが18年以降は激減していた。原因は不明ながら、釣り環境の変化や大型魚の増加が影響しているとの見方がある。
この日は10~20匹の複数の魚群が力強く泳ぐ姿が見られた。同機構職員武藤光司(むとうこうじ)さん(60)は「やっと魚の姿が見られた。遡上数が一桁台の年が続いていたが、今年は20~26日に約240匹が確認できた。漁協が3年前に放流した個体が多い」と話している。