ビジネスや芸術など多方面で活躍する若者を顕彰する第8回「とちぎ次世代の力大賞」(下野新聞社主催)の最終審査が21日、下野新聞社で行われ、大賞に宇都宮市の宇宙ごみ(スペースデブリ)対策装置開発のBULL(ブル)が輝いた。
優秀賞は、ワイン醸造家岩崎元気(いわさきもとき)さん(38)=栃木市、箏演奏家前川智世(まえかわともよ)さん(39)=日光市、宇都宮市の市民団体「釜川から育む会」に決まった。
今回は3部門に個人・団体計20件が応募。13件が最終審査に進み、天利和紀(あまりかずのり)副知事らが活動内容などを審査した。
BULLは2022年設立。宇都宮市を拠点に、役目を終えたロケットを大気圏に落とし、スペースデブリとなることを防ぐ装置を開発している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同事業を行うほか、海外展開を目指し欧州のロケット会社とも取り組みを進めている。宇藤恭士(うとうやすひと)社長(38)は「本県の新産業の一つとして、世界で戦えるようこれからも精進する」と話した。
優秀賞の岩崎さんは、大平地域のぶどう団地でワイン作りに取り組む。前川さんは全国で演奏、講演活動を続け、邦楽の普及に努めた。釜川から育む会=中村周(なかむらしゅう)代表理事(37)=は宇都宮市の釜川周辺で、空き家などを活用したまちづくりを進めている。審査員特別奨励賞には、栃木市の学生団体「Rainbow(レインボー)」が選ばれた。