下野新聞は栃木県の地元紙として、宇都宮美術館の開館前から、同館の作品収集などの開館準備の様子を広く紹介してきました。また、1997年の開館以降も、その展覧会情報をいち早く誌面で取り上げ続けています。
今回、同館で開催されている、開館25周年記念 全館コレクション展「これらの時間についての夢」展は、「時間」をテーマとしています。そこで、12月1日から15日まで、毎日1回ずつ、このページ内で、本誌の宇都宮美術館の記事を再度掲載し、同館の歩みを振り返ります。
これ夢展 担当学芸員の一言
宇都宮美術館は、この秋まで、空調システムの改修と設備更新、展示室と収蔵庫照明のLED化のため長期休館していました。
記事にある通り、約10年前の2011年にも、空調の更新及び収蔵庫増設のための長期休館がありました。
下記は2011年2月2日に掲載された記事です。

【宇都宮】長岡町の宇都宮美術館は、老朽化した空調機器の更新と収蔵庫増設を行うため、5月30日から来年3月下旬まで約10カ月間休館する。1日、市議会各派代表者会議で報告された。長期休館は1997年の開館以来初。休館中は県内外の美術館で収蔵品の共同企画展を開催。ルネ・マグリットの「大家族」などの貸し出しも検討しており、同美術館PRのための有効活用も図る。
同美術館は市制施行100周年を記念しオープン。展示室3室、収蔵庫2室を備え、収蔵品は1日現在約6300点。マグリットのほか、マルク・シャガールや黒田清輝(くろだせいき)など著名な画家の作品を所有、公開している。
市教委によると、空調機器の更新に伴い、美術館の熱源システムをガスから電気主体に変更。これにより二酸化炭素排出量を従来の約半分に抑制する効果が得られるという。今年7月着工予定で、市教委文化課は「4~6月に美術館周辺で営巣するオオタカに配慮した」としている。
また収蔵庫は地下1階に約530平方メートルを増設。二重壁や耐火扉を備えた空間で、新たに約3千点の収蔵が可能になる。同美術館には市民などからの作品寄贈が相次ぎ、収蔵率が110%に達している。今回の増設で新たな寄贈にも対応できるという。
休館中、収蔵品は業者に預託。ただ著名な作品は、群馬県立近代美術館や長野県小海町高原美術館など県内外6カ所の美術館と共催で巡回展を開催し、宇都宮美術館の認知度アップへ有効活用する方針だ。
市教委は新年度当初予算案に整備費として約5億9千万円を盛り込んだほか、3月定例会に同美術館の長期休館を可能とする改正条例案を提出する。