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 作新学院高校弓道部は、数々の大会で上位入賞を果たしてきた全国でも屈指の強豪部です。昨年10月に佐賀県で開かれた国民スポーツ大会「SAGA2024」では、同部の3人が栃木県選抜として出場し、見事優勝しました。今後も心身ともに磨きをかけ、さらに高みを目指します。

昨年の国民スポーツ大会と全国高校選抜弓道大会で優勝した阿久津 裕斗さん(17)(左)。 続いて主力選手の飯塚 政也(いいづか・まさや)さん(18)、大竹 涼太朗さん(17)、齋藤 歩里(さいとう・あゆり)さん(17)、植木 由莉奈(うえき・ゆりな)さん(16)、石田 せり奈(いした・せりな)さん(15)
昨年の国民スポーツ大会と全国高校選抜弓道大会で優勝した阿久津 裕斗さん(17)(左)。 続いて主力選手の飯塚 政也(いいづか・まさや)さん(18)、大竹 涼太朗さん(17)、齋藤 歩里(さいとう・あゆり)さん(17)、植木 由莉奈(うえき・ゆりな)さん(16)、石田 せり奈(いした・せりな)さん(15)

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)

練習は完全に自主性に任せる

 毎日の放課後の練習の前には、弓道場に集まってきた部員全員で、神前での拝礼を行うのが恒例となっています。先導するのは、部長の大竹 涼太朗(おおたけ・りょうたろう)さん(17)=3年生=です。膝に手を置き、しっかりと背筋を伸ばして精神を統一し、静かに自分を見つめ直す重要な時間となっています。顧問を務める柏木 崇哉(かしわぎ・たかや)先生(36)は「弓道は神前で行う競技です。拝礼や所作をきちんとできない者に、武道に取り組む資格はありません」と部員たちに語りかけます。
 練習に入ると、部員たちは何度も何度も黙々と矢を放ち続けます。部の基本的な方針は自主性の尊重。自分で練習する中から、それぞれの課題を見つけ出し、克服するよう努力を重ねます。練習日は平日の毎日設定していますが、記録などを取る土曜日の正規練習日以外は、参加する、しないは完全に個人に任されています。上達するには練習以外に道がないことは、部員たち自身が一番理解しているとのことです。

顧問の柏木先生(奥左)と副顧問兼男子監督の大山先生(奥右)。練習前には神前で拝礼を行います
顧問の柏木先生(奥左)と副顧問兼男子監督の大山先生(奥右)。練習前には神前で拝礼を行います

改善点を積み重ね栄冠を勝ち取る

 国民スポーツ大会で優勝した3人のメンバーの1人だった阿久津 裕斗(あくつ・ゆうと)さん(17)=3年生=は、決勝ではとても集中できた、と振り返ります。「あまり緊張はなく、“ゾーン”に入った感覚でした。周りの音も聞こえず、気づいたら当たっていて優勝できたという感じでした」と話します。
 弓道を始めたのは中学1年生の時。「軽いノリでした」と当時を語りますが、半年ほど練習を重ねるうちに面白さに目覚めたそうです。「試合に出て勝つ喜びを知ってから、のめり込むことになりました」。高校入学後は、弓道に向き合う心境にさらに変化が出てきました。「1年生の頃は失敗するとすぐにイライラしていましたが、徐々に自分ができないことを受け入れ、それをどう改善するかを考えるようになりました。その積み重ねが優勝につながったと思います」と語ります。
 阿久津さんは昨年12月の全国高校選抜弓道大会の男子個人でも優勝を飾りました。団体、個人ともに大きな大会を制したことで、高校での目標は達成できたと満足感があるそうです。今後は「インターハイが引退試合になるので、みんなで勝って終わりたい」と決意を固めます。

礼儀を重んじる強い部にしたい

 部全体をまとめる立場にある大竹さんは、弓道部について「みんな仲がよく、和気あいあいとした雰囲気の部活」と評価します。その一方、「武道なので礼儀が大切。そうした面からも『作新学院は強い』と言われるような部にしたい。間違った方向にいかないように心がけたい」と部長として気を引き締めます。
 中学1年生の時、部活の見学で弓を引く姿を見て「かっこいい」と思ったのが、弓道を始めたきっかけでした。特に「心」が重要になる点にもひかれたそうです。
 「最初の頃は先輩との差がありすぎて、くじけそうにもなりましたが、練習を重ねるうちに自信がついてきました」。弓道の魅力については「精神を統一し、いろいろなことを考えながらも『無』になっていく、というところが難しくもあり、楽しくもあります」と話します。
 今年は当面、インターハイでの団体優勝とともに、個人でも優勝を目指しています。その後、大学でも弓道を続け、国民スポーツ大会に出場したいと目標を掲げます。後輩たちには「弓道は練習量で大きく変わるスポーツ。しっかり練習に励んでほしい」と激励します。

関東大会でも決勝戦は栃木県対決というレベルの高い本県でしのぎを削る選手たちは、全員が集中力高く練習に励みます
関東大会でも決勝戦は栃木県対決というレベルの高い本県でしのぎを削る選手たちは、全員が集中力高く練習に励みます

弓道を通して信頼される人に

 副顧問で主に男子の監督を務める大山 汐音(おおやま・しおん)先生(24)は「技術面は上級生たちが見てくれるので、私はメンタル面でのケアに努めています」と指導にあたっての心がけを語ります。「なぜ当たらなかったのか、本人が気づくことができるよう気を配っています」
 昨年、阿久津さんの全国高校選抜での優勝では「一番緊張していたのはもちろん当人だと思いますが、優勝の瞬間には、私も一気に力が抜けました」。今年は目前に迫った関東大会の連覇、インターハイへの出場と優勝を目標に定めます。
 自身も中学生時代は弓道の選手でした。「静寂の中で皆中した時の拍手は、何ものにも代えがたいものがあります」と話します。指導をする中で、自分も再び弓を引くようになり、より部員たちの気持ちに寄り添えるようになったとも言います。
 「弓道を通して礼儀や人との関わり方などを身につけて、社会に出てからも人として信頼される人になってほしい」と願っています。

Profile

作新学院高校弓道部(宇都宮市)

同校でも伝統のある部活動で、弓道場の壁にはたくさんの表彰状が並んでいます。その実積にひかれ、各地から入部希望者が集まってきます。今年は2・3年生35人に新入部員が加わり、50人近くの部員の大所帯となっています。

作新学院高校弓道部(宇都宮市)紹介動画
 
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