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白鷗大学足利高校男子柔道部の池内 雷基(いけうち・らいき)選手(17)=3年生=は、今年3月に開かれた柔道の第47回全国高校選手権大会男子60キロ級で見事に初優勝に輝きました。伝統と実積を誇る同部の中で、今後も仲間たちと共に一層の奮闘を誓います。

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)
38年間の指導で400人送り出す
7月のある練習日、柔道場には60人余りの選手たちが集まり、実戦形式の稽古に真剣に取り組んでいました。同部の部員に加え、群馬県立前橋商業高校の柔道部員を招いての交流練習の風景です。監督の蓬田 正郎(よもぎた・まさお)教諭(63)も審判役として、部員たちの指導にあたります。コーチからのアドバイスの声も熱く飛び交います。
蓬田監督は38年間、同部の指導者を務めてきました。この間、送り出した選手たちは約400人。柔道場の壁にはその名札がずらりと並んでいます。「この名札は私の宝物ですね。一人ひとりの組み手も全部覚えていますよ」と、蓬田監督はこれまでの指導の積み重ねを振り返って感慨深そうです。
OBはいろいろな場所で、選手としてあるいは指導者として多くが頑張っています。その中には世界で活躍する太田彪雅選手などもいます。蓬田監督は「立派な施設をつくっていただくなど、学校にはとても感謝しています」とも話します。

インターハイでの優勝を目指す
池内さんは全国高校選手権を振り返って「高校生になり大きな大会で優勝したのは初めてだったので、とてもうれしかったです」と喜びを語ります。特に決勝戦では「何度も対戦した相手で、お互いによく知っていたのでやりにくかったのですが、新しく身につけた技がうまく生きました」と話します。
茨城県出身で、柔道を始めたのは、道場の館長を務めていた父の影響とのこと。3歳から道場に通い、「気がついたら始めていました」と笑顔を見せます。柔道の魅力については「始めは弱くても、努力すればその結果がついてくるところ」と、日頃の鍛錬の大切さを強調します。
インターハイで優勝することを当面の目標に掲げます。その後もしっかりと競技を続け、「さらに体を鍛えてオリンピックを目指したい」と決意を披露します。得意技は背負い投げ。下野市出身の髙藤 直寿選手のようになりたいと話します。
蓬田監督には「生徒のことを一番に考えてくれます。弱いところは指摘し、よいところは誉めてくれます」と感謝を忘れません。後輩たちには「勝っても満足せず、負けてもそこにとどまらず、しっかり続けてほしい」と激励の言葉を贈ります。
けがの経験生かし勝って恩返しを
主将を務める100キロ級の水野 雅南人(みずの・まなと)選手(17)=3年生=は、同部について「一人ひとりやる気があり、明るく雰囲気のいい部」と話します。仲間のためにも団体戦では自分が絶対に点を取って、チームを勝ちに導きたいとの強い責任感に燃えています。栃木市の出身で父も同部のOB。父に連れられて道場に通うようになり、小学1年生から柔道に親しみました。父から教えを受けた内股が得意で、「投げが決まって1本を取れた時が一番楽しい」と爽快感を語ります。
水野さんはけがに泣かされ、昨年1年間、柔道ができませんでした。しかし、そのけがが、それまで自分になかったものを与えてくれた、とも分析します。目前に控えたインターハイに挑戦しますが、「けがという経験を生かし、絶対に結果を出して、支えてくれた人たちに恩返しをしたい」と熱い思いを語ります。
蓬田監督や先輩たちから言われてきたのは、常に「強気で行け」ということです。後輩たちにもこの言葉を贈りたいと言います。将来も柔道を続け、池内さんと同じようにオリンピック出場を目指したいと力を込めました。

柔道を通して人として成長する
インターハイ予選では、団体戦のほか、7階級ある個人戦の6階級で同部の選手が出場権を獲得しました。そのうち5階級の決勝戦は同部の部員同士でした。長い伝統の中でも異例のことです。「30年以上指導してきて一番楽しみな時がきたと思っています。もちろん勝負はやってみないと分かりませんが、選手たちも気持ちが乗っているので、きっとやってくれると思います」と蓬田監督は期待を寄せます。
自身も小学4年生からずっと柔道を続けてきました。その間、柔道に育てられてきたとの強い思いがあります。「相手を投げる醍醐味ももちろんありますが、競技を重ねれば全国や世界に友人ができます。友愛の輪を広げていってほしいですね。その上で、柔道を通して人として成長し、みんなから応援してもらえる人になってほしい」
学校の目標でもある「PLUS ULTRA(プルス ウルトラ)=さらに向こうへ」の精神を部員たちに託します。

Profile
白鷗大学足利高校男子柔道部(足利市)
現在、3年生13人、2年生11人、1年生12人が所属しています。同部の実積にあこがれて各地から有力選手が集まっており、約半数は県外の出身者です。月1回くらいは他校との交流試合を行うなど、厳しい練習に励んでいます。
栃木県民共済は県民読者の皆さまをこれからもサポートして参ります。