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 大田原市のスポーツチャンバラ道場「夢翔館大田原道場」で練習に励む選手たちが、昨年開かれた全国や世界規模の大会で多くの優勝を収めました。「自由度が高いけれど奥が深いスポーツ」と選手たちは口をそろえます。今後もさらに技に磨きをかけたいと頑張ります。

昨年の全国大会や世界大会で優勝した選手たち。左から、江連 晃希(えづれ・こうき)さん(12)、小西 陽暖(こにし・ひなた)さん(12)、内野 侑(うちの・ゆう)さん(16)、磯 芽依(いそ・めい)さん(16)、磯 慶多(いそ・けいた)さん(14)
昨年の全国大会や世界大会で優勝した選手たち。左から、江連 晃希(えづれ・こうき)さん(12)、小西 陽暖(こにし・ひなた)さん(12)、内野 侑(うちの・ゆう)さん(16)、磯 芽依(いそ・めい)さん(16)、磯 慶多(いそ・けいた)さん(14)

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)

気軽に楽しめるスポチャンの魅力

 スポーツチャンバラ(スポチャン)は、1970年代の初め頃から普及し始めた比較的歴史の新しいスポーツです。子どもの頃、誰もがやったことのある遊びとしてのチャンバラに競技性が加わりました。簡単な道具を使って子どもから高齢者まで誰でも安全にできるため、生涯スポーツとして楽しむ愛好者が全国に広がっています。
 栃木県内にも幾つか道場があり、県立大田原高校や宇都宮短期大学付属高校には、部活としての「スポーツチャンバラ部」もあります。また、県北地域の大田原市や那須塩原市では、かねてから盛んに行われており、大田原市長杯を冠した大会は14回を数えるまでになりました。
 大田原市での普及の先駆けともなった夢翔館大田原道場の原科 直之(はらしな・なおゆき)代表(55)は、妻の佳代子(かよこ)さん(55)とともに、2002年から道場の運営を手がけています。原科さんは小学生から高校生まで剣道をやっていたそうですが、「栃木県スポーツチャンバラ協会の前会長から誘われて、体験会に参加したのが最初です。その時、その面白さにすっかり魅せられてしまいました」ときっかけを振り返ります。

原科 直之(はらしな・なおゆき)代表と妻の佳代子(かよこ)さん(写真右)。息子さんも全国大会二連覇と指導実績も高い2人
原科 直之(はらしな・なおゆき)代表と妻の佳代子(かよこ)さん(写真右)。息子さんも全国大会二連覇と指導実績も高い2人

自由度が高く個性が出せる競技

 夢翔館大田原道場の内野 侑(うちの・ゆう)さん(16)=県立大田原高校2年生=は、昨年の「第49回全日本選手権大会」で、小太刀初段の部優勝、さらに各段級の優勝者で争う代表戦でも優勝に輝きました。部活としての「大田原高校SC」の選手としての出場でもありました。「なかなか大きな大会で勝てなかったので、とてもうれしかったです」と喜びを語ります。
 内野さんがスポーツチャンバラを始めたのは小学2年生の時です。体験会が楽しく、その後も続けることになったとのことです。他県の出身で大田原市には中学3年生の時に転居してきました。「父の勤務先からいえば大田原市でなくてもよかったのですが、この地域でスポーツチャンバラが盛んだったので、親に頼んで決めました」と話します。
 スポーツチャンバラの魅力については、「ルールの自由度が高く、戦い方に個性が出せるところです。その分、相手がどこからでも打ってくるので、全身で守りを意識しなければなりません」と語ります。今後については「なかなか世界大会で勝てないので、しっかり練習を積んで頑張りたい」と目標を掲げます。

弟と一緒に優勝何よりうれしい

 同道場の磯 芽依(いそ・めい)さん(16)=県立大田原女子高校2年生=は、昨年の「第48回世界選手権大会兼第6回レディース選手権大会」のレディース大会に出場。楯長剣1~10級の部で優勝しました。「全日本大会では2位だったので、その悔しさをばねにして臨みました」と心境を振り返ります。
 弟の慶多(けいた)さん(14)=那須塩原市立西那須野中学校3年生=も、世界大会の長剣フリー4~6級の部で優勝に輝き、姉弟そろっての栄冠獲得となりました。スポーツチャンバラには5歳の頃から親しみ、慶多さんもその後すぐに始めたといいます。「小さい頃から一緒に練習してきた弟とともに優勝できたことが何よりもうれしい」と笑顔を見せます。
 磯さんも「厳しいルールがなく、自由に楽しめるところがスポーツチャンバラの魅力」と語ります。半面、「一発当たったら負けてしまうので、駆け引きも重要になります。練習では一本一本に集中することを心がけています」と話します。「女子のトップのグランドチャンピオンになることが目標」と意欲的です。

基礎練習から実戦まで、老若男女問わず練習に励みます
基礎練習から実戦まで、老若男女問わず練習に励みます

楽しさをさらに広げていきたい

 原科さんは指導にあたり「強制するようなことは一切せず、自主性を尊重することを心がけています」とその方針を語ります。「年齢や性別に関係なく、初めての人でもすぐに試合ができる。しかし、やってみると本当に奥が深い。こうした競技はほかにあまりありません」とスポーツチャンバラの特長を語ります。
 自らが始めた頃には、知っている人は周囲にほとんどいなかったとのことですが、今はかなり普及してきたことを実感しているそうです。兄弟や家族ぐるみで取り組む人たちも増えてきました。
 道場から巣立った子どもたちが、インストラクターの資格を取り、道場の運営を手伝ってくれるようにもなりました。「さらに拠点が増えたらいいと思いますね。今活躍している選手たちにも、将来指導者となって後輩を育ててほしいと思います」と期待を語りました。

 

Profile

夢翔館大田原道場(大田原市)

2002年4月に創設。現在、幼稚園児から60代まで約50人が加入しています。大田原西地区公民館や大田原体育館を会場に、日曜日の午後、水曜日の夜に練習しています。土曜日の午後か夜には自主練習もあります。体験会もあり「ぜひ参加を」と呼びかけています。

夢翔館大田原道場(大田原市)紹介動画
 
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