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 佐野市の空手道場「正友会」に所属する猪熊 愛心(いのくま・あみ)さん(14)=佐野市立城東中学校3年生=は、昨年8月に長野県で開催された空手の全国中学生選手権大会女子個人組手で優勝の栄冠を獲得しました。「練習の成果が実ってうれしい」と喜びいっぱいです。

昨年8月の全国中学生選手権大会女子個人組手と今年3月の全国中学生空手道選抜大会で、見事優勝した猪熊愛心さん
昨年8月の全国中学生選手権大会女子個人組手と今年3月の全国中学生空手道選抜大会で、見事優勝した猪熊愛心さん

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)

練習の成果実って道場初の日本一

 ある日の午後6時過ぎ。佐野市堀米町にある正友会の道場には、小中学生が集まって練習に励んでいました。鋭い気合とともに、何度も繰り返してキックミットに蹴り込みを入れます。要所要所では、指導に当たる髙橋 一正(たかはし・かずまさ)会長(51)や髙橋 奉大(たかはし・ともひろ)最高師範(48)からの鋭い注意の声も飛びます。
 密度の濃い練習は2時間ほど続きました。この間、猪熊さんたち中学生が、小さな子どもたちを指導する姿なども見られ、厳しい中にも穏やかな雰囲気が道場を包みます。幅広い年齢層の門下生が集まる正友会ならではの風景です。送迎の保護者たちも、たくさん子どもたちを見守っていました。
 正友会は2008年の創設以来、各種の全国大会に多くの選手を送り出してきました。ただ、優勝には今一歩届かない状況が続いており、今回の猪熊選手の優勝は、道場にとっても歴史的な快挙となりました。

実家も道場だったという髙橋 一正会長(写真中央)と髙橋 奉大最高師範が兄弟で営む道場には、気合の入った子どもたちが集まります
実家も道場だったという髙橋 一正会長(写真中央)と髙橋 奉大最高師範が兄弟で営む道場には、気合の入った子どもたちが集まります

絶対に勝つという強い気持ちで対戦

 猪熊さんが空手を始めたのは、幼稚園の年少組、3歳の時だそうです。「今、大学生になっているいとこが、この道場に通っていて、空手に取り組む姿を『かっこいい』と思ったのが最初です」と話します。
 当初は遊び感覚でしたが、小学2年生の時に転機が訪れました。全国大会に出場したものの1回戦であえなく敗退。これがきっかけとなって、小さいながらも「本気でやろうと思いました」と振り返ります。
 その後も続けられた理由は「勝てた時が一番うれしい。勝つためには練習しなくてはいけないので、それを選びました」と語ります。6年生の時には全国3位を獲得するまでに実力を上げます。
 昨年の優勝の時は中学2年生でした。学年別ではなく、3年生も多い中での試合でしたが、「『絶対に勝ってやる』という強い気持ちで臨みました」と話します。リードされていて、残り34秒からの逆転勝利でした。これまで厳しい練習が形になって表れたことに、思わず涙がこぼれたそうです。また、この時の全国一のプレッシャーを背負いながら、今年3月の全国中学生空手道選抜大会でも見事に優勝。着実な歩みを続けています。

手を抜かずに全力で取り組む

 空手の魅力について猪熊さんは「1分間という短い競技時間の中で、逆転や大技が決まったりなど、さまざまな展開があるところ」と語ります。練習した分だけ結果につながるとも言います。
 小中学生グループの最高学年になり、下級生たちの手本となる立場です。「みんな仲がよくて明るい。そんな中で切磋琢磨(せっさたくま)しているので、必ず強くなれると思っています」。後輩たちに伝えているのは「全力で取り組む」ということ。「下手でもいいから手を抜かず本気でやることが一番大切だと思います」。これは常日頃、自分に言い聞かせていることでもあります。
 城東中学校では陸上部に所属しています。両立は大変ですが、陸上の練習も空手に役立つと考えています。正友会には城東中の生徒も何人かいますが、少し残念なのは女子が少ないこと。「楽しいからぜひ一緒にやろう」と呼びかけています。
 今後に向けては「最後、夏の大会で2連覇を目指して頑張りたい」と力強く語ります。高校や大学でも空手を続け、「日本代表に選ばれたい」と夢を膨らませます。

その日一番小さかった小学1年生から、全員声を出して練習に励みます。猪熊さんも下級生に助言をしています
その日一番小さかった小学1年生から、全員声を出して練習に励みます。猪熊さんも下級生に助言をしています

諦めない心と逃げない心を養う

 入門以来、猪熊さんの成長を見続けてきた髙橋会長は、昨年の優勝を振り返って「日本一になることを正友会の目標に掲げてきましたので、本当にうれしかったですね」と喜びにあふれます。大会に臨むにあたっては「このところ驚くほど伸びていましたので、いけると思っていました」と手応えを語ります。
 猪熊さんについて「小さな頃は試合会場で泣いているような子でした」と話します。それが小学校中学年の頃から、空手に向き合う姿勢が大きく変化してきたと言います。「負けたくないという気持ちが前面に出るようになり、何事もやり抜く力がついてきました」。その気持ちが今回の優勝に結びついたと話します。今後、2連覇を目指すとともに、高校に進んでも「高校日本一」になって、日の丸を背に戦える選手になってほしいと期待を寄せます。
 「技のスピードの速さが空手の最大の魅力」と語る髙橋会長。道場の指導方針には「諦めない心、逃げない心」を掲げています。「社会に出ていく際にも必ず必要な心構えだと思っていますので、しっかり伝えるようにしています」。空手を通して子どもたちの成長を見ることができるのが最大の楽しみ、と笑顔を見せました。

 

Profile

正友会(佐野市)

正式名称は一般社団法人全日本空手道正友会。佐野市内を中心に、幼稚園児から大人まで約30人の門下生がいます。空手を通じて心身を練磨し、体力の向上を図るとともに、礼節・克己心・忍耐力など精神面を育成することなどを指導理念に掲げています。

正友会(佐野市)紹介動画
 
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