「チームのために」の強い思いで中学女子軟式野球で全国一を獲得県民応援シリーズ《第４７回》　オール栃木｜[PR]栃木県民共済

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　中学生女子の軟式野球チーム「オール栃木」は、今年８月に開かれた軟式野球の第７回全日本中学女子大会で優勝に輝きました。延長タイブレークを制して勝ち取った初優勝です。県内各地から集まってきた野球少女たちは、持ち前の粘りの野球を発揮。「チームのために」の強い思いが実りました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（企画・制作下野新聞社営業局）

3年生のメンバー、左上から荒田裕菜（あらた・ゆうな）さん［作新中］、伊藤みなみ（いとう・みなみ）さん［明治中］、森田加恋（もりた・かれん）さん［南犬飼中］、落合杏南（おちあい・あんな）さん［姿川中］、福地乃愛（ふくち・のあ）さん［藤岡中］。左下から新井コナ（あらい・こな）さん［石橋中］、岩井妃織（いわい・ひおり）さん［粟野中］、福田桜子（ふくだ・さくらこ）さん［若松原中］、古橋あやか（ふるはし・あやか）さん［姿川中］

粘りの野球で長年の悲願達成

　「２０１４年のチーム結成以来、関東大会では５回優勝するなど、いい成績を重ねてきたのですが、残念ながら全国優勝はできないでいました。それが今回実現できて本当にうれしいです」と、川村貴幸監督は悲願達成の喜びにあふれます。決勝の相手は前回大会で優勝した強豪チーム。２点差で勝ち越されていた局面から同点に追いつき、延長８回タイブレークでサヨナラ勝ちという劇的な勝利でした。川村監督は「しっかり守り、粘りに粘って、最後は気持ちで勝ったと思います」と部員たちの頑張りを称賛します。
　川村監督は小学生女子の軟式野球チーム「栃木スーパーガールズ」の監督も務めており、昨年は同チームを優勝に導いています。今回の「オール栃木」の主力メンバーは、「栃木スーパーガールズ」のＯＧです。２０１９年の小学生女子の全国大会では、３回戦まで勝ち進みましたが、延長タイブレークで敗退した苦い経験があります。小学生でできなかった全国優勝を中学生で叶えようと頑張ってきたのです。

今年８月に開催された第7回全日本中学女子大会で全国制覇をした選抜チーム「オール栃木」
（京都市の伏見桃山運動公園野球場）

小学生時代の悔しさがばねに

　今回の大会でキャプテンを務めた荒田裕菜（あらた・ゆうな）さん（１５）＝中学３年生＝も、小学生の時の大会で悔しい思いをした一人です。「実は２０１９年の大会では、自分のエラーで負けてしまったんです。なんとか強くなって中学生でリベンジしたいと思っていました」と振り返ります。この経験で野球に取り組む意識が大きく変わったそうです。
　野球は「最初はできなくても、しっかりやっていけばできるようになるのが楽しい」と話します。「オール栃木」のチームカラーを「１―０で勝つ守備のチーム」と語り、仲間意識の強さも強調します。「高校では硬式野球をやりたい」と意欲を燃やします。
　荒田さんからキャプテンを引き継いだ澤野真里奈（さわの・まりな）さん（１３）＝中学２年生＝は、「接戦の中で勝てたのでとてもうれしかった」と優勝の感激を話します。「上の学年の先輩たちと一緒に出させてもらって、ミスをしないようにとプレッシャーもありましたが、優勝できて安心しました」と振り返ります。新キャプテンとしては「チームがまとまるよう、しっかりと声掛けなどをしていきたい。先輩たちにはとてもお世話になったので、来年も頑張って優勝旗を持って帰りたいです」と決意を語ります。

上）新キャプテンの澤野さん（右）と川村監督。下）保護者の方々に支えられて練習を行っています。

周囲の人たちの支えで勝てた

　「オール栃木」のメンバーは、普段は県内各地の自分の中学校の野球部に所属して、試合や練習に励んでいます。大会が近づいてくると、宇都宮市内や日光市内などの練習会場に集まってきて、集中的に練習に取り組みます。川村監督は「各チームから集まってくるのでポジション決めも大変ですが、大会で勝ち上がっていくごとに強くなっていきましたね」と、まとまりの良さを評価します。
　また、優勝できたのは「保護者や関係者の支えがあったからこそ」と川村監督は話します。荒田さんは「家族にいろんなサポートをしてもらって、自分はプレーに集中できました」。澤野さんも「練習会場に送ってくれるのは大変だったと思います。ありがとうという気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちを忘れません。